「イタリアをモチーフに、自由な発想を企画する」をコンセプトに活動している団体「おがーりあ」が、県内あちこちにお邪魔し、イタリア的な視点で縁を繋ぎながら様々な企画を考えていく第5弾イベント「人生寄り道だらけ~新たな縁も、古い縁もポタリング~」が、10/29(土)秋田市新屋にて開催されました。
前日の夜から降り出した雨が明け方まで続いており天気が心配されましたが、集合時間には雲の切れ間から太陽が顔をのぞかせてくれました。
新屋駅前近くの「café conoha」前に集合し、皆さん集まったところで道の確認と、軽く自己紹介。conohaの店主はおがーりあスタッフYの同級生で、事前準備から色々と協力をいただきました。「ビタミン取って~」とサービスされた柿にも元気をいただき、いざスタート!
新屋駅前から公立美術大学を通り、西中の脇を通過して大川散歩道桜並木から西部工業団地へ抜けます。このあたりは30年程前まで製紙工場があり、用水路には汚水が流れていたのですが、現在は暗渠となり公園が整備されておりますので、春は花見で楽しむことができるようになりました。
新屋高校近くを通過し、稲刈り後の田んぼを横目に見ながら浜田集落へと抜けます。そこからは旧7号線沿いを北上して表町の旧道へ向かい、少し走るとポタリング(寄り道)。
どこに寄り道したかは…参加した方だけのお楽しみです(笑)。と言うと気になる方もいると思うので、ちょっとだけご紹介。
新屋に昔からある古い建造物や神社・お寺だったりも魅力ですが、今回の見どころは何といっても、今も尚数多く残る湧水場でしょうか。現在は上流にバイパス(現・国道7号線)が通ってしまい、残念ながらその殆どが飲み水として使用することができず、地域の方が生活用水の足しにするくらいの使用頻度になってしまったようですが、昔はその水を仕込みに使用した酒・味噌・醤油等の醸造元が数多く存在したようです。
そんな名残を見て周りながら、ほんの25年程前まで、自分も学校帰りに滾々と湧き出る水で喉を潤すことが出来ていたことを、懐かしく、有り難く、感じたのでした。
唯一飲むことが可能な國萬歳酒造では、お店の中を拝見させていただきました。
新屋は、現在の国道7号線からみて、旧道が4つあります。前の7号線だった県道56号線、その前が表町商店街のある馬車道(馬車の往来道でよく見かける馬つなぎの石なども残っています)、更に前が古いお寺の残る羽州浜街道。
浜近くには、砂害で苦しんでいた新屋衆を救おうと防砂林を植樹した栗田定之丞を祀った栗田神社があります。バイパスが開通してからは、松林も大部分が切り倒されてしまいました。
そんな、海と川に近い新屋が辿った歴史を実際見て周ることで、地域性を肌に感じてもらえたのではないかと思っています。
その後、何かと話題にあがる「ももさだカエル」の像の前で、カエルポーズで記念撮影。また、ここに帰ってこれたら…という願いも込めて。
一人で事前試走した際には1時間30分で周ることができたコースですが、その場所にまつわるお話をしたり、写真を撮ったりと、ゆっくり進みました結果、倍の3時間はゆうにまわってしまい、13:00近くに再び「café conoha」へ。通常お店にあるランチとは違う内容の特製キッシュプレートランチをいただきました。
今が旬のマロンクリームが挟まったビスコッティや、ポットサービスのハーブティーなどは、かじかんだ体を温かくほぐしてくれました。ビスコッティは、すこし固めのイタリアのお菓子。コーヒーに浸していただくと食べやすく、香ばしさを一層楽しむことができます。
お腹も満たされたところで、近くの日吉神社参詣。秋田の農業三大人の一人である森川源三郎が晩年を過ごした余楽庵も見学しました。
何故今回、新屋の地を選んだかと問われれば、単純な話、おがーりあスタッフYの実家があり子どもの頃過ごした地だからです。思い入れのある場所を、自分視点でどこまで参加者の皆さんに受け入れてもらえるのか反応を見ながら、実験的に案内をしてみたかったというのが大きな理由です。
当然そこにまつわる話も普通の「文化財まち歩き」のようにはいかず、主観的マニアック要素がどうしても入っちゃいまして、客観性を保ちつつどこまで許容されるかドキドキでしたが(笑)、意外に好評でしたので、次回同じ場所で開催する際は自信を持っていこうと思います。
肌寒い中、ご参加いただいた皆様どうもありがとうございました。
また、画像の一部を参加者の皆様よりご提供いただきました。感謝申し上げます。
「人生寄り道だらけ~新たな縁も、古い縁もポタリング~」フォトレポート
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